不思議な話
怪談 ~ゴミ屋敷~ 小学4年生の大夢の家の近所には地元では有名なゴミ屋敷があった。そのゴミ屋敷には誰も身寄りがいない老婆が一人で住んでいた。教師や親からは危ないからゴミ屋敷には近づいてはいけないと言われていたが、老婆は子供達には優しくお菓子や…
怪談 ~ハシモトの記憶~ 高校三年生の隆志のクラスは朝から騒然としていた。その理由は、先日修学旅行で行った沖縄で撮影したクラスの集合写真にあった。生徒たちが前後数列に並んで撮ったその写真、後列の真ん中あたりに立っている男子生徒二人の間に人の…
怪談 ~自殺の名所~ カウンター席しかないバーでオカルトが好きな常連客の3人がアブダクションの真偽について話をしていたが、議論が尽きたのか、みな次第に口数が少なくなってきた。そんな時、常連客の一人、40代くらいで身なりの良いスーツ姿、皆から”先…
怪談 ~フリマ~ 今から20年以上も前のこと、当時真紀が住んでいた地域には都内でも有数の大きな公園があり、そこでは週末になるとフリーマーケットが開催されていた。フリーマーケットには常に多数の出店があり、掘り出し物目当てに集まる客も多く、いつも…
怪談 ~写真~ 女子高生の美桜にはクラスメイトに紬という友人がいた。紬は口数も少なく大人しい性格のため、クラスの中ではあまり目立たない存在だった。ある日、休憩時間に紬が立ち上がった際にポケットから床に生徒手帳を落とした。ちょうど後ろにいた美…
怪談 ~喫煙所~ 都内にある大手食品会社の社員である田中。地方にある支店でトラブルがあり、その対応のため直属の上司である部長と共にその支店へと出張してきていた。支店は駅前に広がるオフィス街の一角にある雑居ビル内にあり、周囲を同じような雑居ビ…
怪談 ~残り香~ 大学生の和司は自宅から歩いてすぐにあるコンビニでバイトをしている。今は大学が夏休み中のため、時給の高い夜間のシフトに入っていた。その日もバイトに向かうため、21時過ぎにマンション12階にある自宅を出た。夜だというのにひどい暑さ…
怪談 ~友人~ 裕太は生まれつき心臓に持病があり、幼いころは度々発作を起こしては入退院を繰り返すような生活を送っていた。それは小学生になっても変わらず、発作を起こす度に学校を休んでいた。裕太はそのせいもあり引っ込み思案な性格で学校ではなかな…
怪談 ~躓き~ カウンター席しかないバーでオカルトが好きな常連客の3人がキリストの聖痕現象の真偽について話をしていたが、議論が尽きたのか、みな次第に口数が少なくなってきた。そんな時、常連の中で1番若い、皆から”坊ちゃん”と呼ばれる男が、「そう言…
怪談 ~監獄~ ※この作品は有料となります。全文をご覧いただくにはご購入をお願いいたします。 手を離すと、後ろで鉄が重く軋む音がして今まさに通り抜けてきたばかりの扉が閉る。扉が閉まりきるときに金属がぶつかる甲高い嫌な音が鳴り響く。もう幾度とな…
怪談 ~似顔絵~ ※この作品は有料となります。全文をご覧いただくにはご購入をお願いいたします。 女子高生の桜が通っている学校の近隣には大きなショッピングモールがある。そこには桜が好きなアイドルグループのショップがあり、同じようにそのアイドルグ…
怪談 ~タトゥー~ ※この作品は有料となります。全文をご覧いただくにはご購入をお願いいたします。 都内の大学へ通う沙耶は同じ大学の友人の紹介で莉里という女性と知り合った。莉里は沙耶とは別の大学に通っていたが、同い年でしかも同じミュージシャンの…
怪談 ~通過~ 「うわぁ!」時間は20時を過ぎていた。場所は高層ビルの5階フロア、人が少なくなったオフィスに山下の叫び声が響き渡る。斜め向かいの席に座っていた山下の上司の田中はその叫び声に驚いて、山下を見た。叫び声と同時に椅子から立ち上がった山…
怪談 ~輪廻~ ※この作品は有料となります。全文をご覧いただくにはご購入をお願いいたします。 由夏は時代の寵児と呼ばれる若きカリスマ社長の晴輝と1年ほど前から交際していた。由夏は高校を卒業後、家庭の事情で進学ができずに、昼間はカフェで夜は居酒屋…
怪談 ~案山子~ 住宅街の一画に雑草が生い茂った空き地がある。広さ10坪ほどのこの空き地には所狭しと立ち並ぶ案山子の姿があった。 元々この辺りは、住宅地として整備される20年ほど前までは一面に畑が広がっており、当時はあちらこちらの畑に案山子の姿が…
怪談 ~顔~ ※この作品は有料となります。全文をご覧いただくにはご購入をお願いいたします。 カウンター席しかないバーでオカルトが好きな常連客の3人がエリア51の真偽について話をしていたが、議論が尽きたのか、みな次第に口数が少なくなってきた。常連客…
怪談 ~すりガラス~ 小学6年生の修斗は、自宅に帰ると母が浮かない顔をしていることに気づいた。明るい性格の母にしては珍しいことだった。最近皆にとってつらいことがあっただけに心配だった。「どうしたの、なにかあった。」母は言おうか言わないかで悩ん…
怪談 ~右手~ 「じゃあ次は誰の番だ。」カウンター席しかないバーでオカルト好きの常連客3人が順番に怖い話や不思議な話を披露していたが、皆が持ちネタが無くなったのか、次に話そうとする人はいなかった。「じゃあ次はマスターで。」そう名指しで指名され…
怪談 ~近し存在~ 連日仕事に追われて多忙な日々を送る渡部。その日も新たな客先に挨拶に行くため、朝早くに自宅を出て最寄駅から電車に乗って客先の会社へと向かっていた。目的地の駅は様々な路線が乗り入れているターミナル駅で利用客が多い駅だった。電…
怪談 ~工事現場~ 悠真は手元にあったスマホを取ってその画面を見る。時間は23時を過ぎていた。朝から一日中外回りをしていたため悠真は仕事を終えたときには疲れきっており、19時ごろに家に帰るとそのままソファーに倒れ込んだ。寝るつもりはなかったが、…
怪談 ~留守番電話~ 健太は自宅のベッドの上で横になり一人で眠っていた。突然枕元に置かれていたスマホから大きな音が鳴り響く。その音に驚き飛び起きた健太は、焦点の合わない目で壁にかけられた時計を見る。時計の針は2時15分を少しだけ過ぎたところをさ…
怪談 ~道連れ~ 初老の男は深い森の中にいた。男は自分が誰なのかがわからなかった。だが男は自分が何故ここにいるのかは知っていた。 鬱蒼とした森の中を、木漏れ日の微かな光が、こちらに近づいてくる人の姿を浮かび上がらせる。それは若い男だった。若い…
怪談 ~夜道の少年~ 優奈は飲食店で働いているため、仕事が終わり電車で最寄りの駅へ着くころにはだいたい23時を回っている。駅から自宅までは歩いて10分くらいの距離で、住宅街の中の街灯のある道を通るため、それほど身の危険を感じることはなかったが、…
怪談 ~助手席の女~ 大学生の悠人は同じ大学の友人陽介と、大学から最寄りの駅に向かって歩いていた。陽介が最近に付き合い始めたオカルト系の彼女の結衣の話で二人は盛り上がっていた。「この前なんかデート中に駅のホームで急に霊が見えるなんて始まっち…
怪談 ~毛~ 隆康は某企業の大阪支社に勤めているが、翌月から東京本社への転勤が決まっていた。そのため、隆康は週末の休みを利用して東京へと来ていた。目的は東京での住居を決めること。ただ明日には帰らなければならないため、出来れば今日中にある程度…
怪談 ~山に居るもの~ 小学5年生の兄の陽大と小学3年生の弟の蒼大の兄弟は、夏休みに母に連れられて母の故郷へと遊びに来ていた。母の故郷は東北の山間にある小さな村だった。近くの大きな街までは車で30分かかるような不便な場所ゆえ若い人は村から1人また…
怪談 ~自殺を止める者~ ※この作品は有料となります。全文をご覧いただくにはご購入をお願いいたします。 夜になっても昼間の熱気の余熱のせいか、一向に気温が下がらない。風もなく体に纏わりつく生温い空気に、全身にじっとりと汗がにじみ出てくる。額を…
怪談 ~老夫婦~ ※この作品は有料となります。全文をご覧いただくにはご購入をお願いいたします。 都内近郊のベッドタウンとして開発されたG町。G町は都内からの交通アクセスが良く便利だと評判となり、駅の周辺に広がっていた森林を造成した宅地には、多く…
怪談 ~白い服の女~ 「鈴木くん、残業か」背後から声を掛けられた鈴木は、睨みつけるように見ていたパソコンの画面から目を離し、声がしたほうを見た。そこには、ぽっこり出た特徴的な腹をした沢田課長が、黒い手提げカバンを手に抱えてて立っていた。「は…
怪談 ~踊る死神~ 弥生は、風邪を拗らせて高熱を出した娘の碧を連れて深夜の救急病院へと来ていた。診断の結果、肺炎になりかかっていることがわかったため、碧はその場で即入院することになった。碧の父親の慎吾は、タイミングが悪く海外へと出張に行って…